http://amemomatayosi.blog.shinobi.jp/%E7%99%BB%E5%B1%B1/%E5%9B%9E%E9%A1%A7%E3%80%802009%E5%8C%97%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%97%E3%82%B9%E7%B8%A6%E8%B5%B0%EF%BC%9C4%EF%BD%9E5%E6%97%A5%E7%9B%AE%EF%BC%9A%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%81%AF%E9%81%A0%E3%81%8F%EF%BC%9E回顧 2009北アルプス縦走<4~5日目:ジャンダルムは遠く>
大キレット超えを終え、振り返るその視線の先に小さく槍ヶ岳が見えていた。
「また来い」と言っている様に見えるほど詩人にはなれないが、何となくまたすぐ会えるさ、
という気持ちにはなった。
奥穂高小屋は奥穂高岳と涸沢岳の鞍部にちょうど収まっていた。
よくこんな所に建てたもんだ。
小屋の前は綺麗に整備され、石畳のテラスの様になっている。
まるで、洒落たレストランの様だ。
山の中にこういったものが必要なのか、些か疑問だが、既にあるものは仕方がない。
サイトにテントを張り、奥穂高、そして西穂高岳へのルート、つまりジャンダルムへの
ルートを確認しに行くことにした。
計画では、槍ヶ岳からここ奥穂高岳、ここから前穂高往復、そしてジャンダルムを越え
西穂高岳、さらに焼岳から上高地に降りるルートを考えていた。
だが、序盤の天候不順、そしてなにより、ジャンへ抜けるルートの難度が問題だった。
Fさんと相談し、とにかく一度見に行こうという事になった。
テントに荷物を残し、水だけを持って、奥穂高岳に登った。
頂上では何人かの人が写真を撮ったり、休んだりしていた。
そして僕たちは問題のルートを目の当たりにし、そしてその絶望的な
光景に息を飲んだ。
ごらんあれが魔の山だよ・・・
先日の救助ヘリ墜落事故の残骸が
いまだ残され、献花が供えられていた。
その中をこの素人が、のこのこと訪れフラフラと登って行くことを、
この山は許している様には、とても見えなかった。
そして何より、ルート確認の為に行った馬の背からその先へ足を降ろすことが
出来なかった。
今の自分には無理だ・・・
それは何とも言えない苦渋の決断だった。このルートが再難関であることは
百も承知だった、だがまさか本当に恐怖心から足を降ろすことが出来ない
程であるとまでは思っていなかった。
甘かった、降り方がわからない、ザックが重すぎる・・・空荷なら何とかなるかも
知れない、ただこれに20kg近いザックを背負って降りるのは・・・
僕たちはテントに戻ることにした。
Fさんとはここからは各々の技量に合わせて行こうという事にした。
Fさんもジャンダルムに挑戦するつもりで来ていた、ただ迷っている様だった。
その晩、星が綺麗だった。
涸沢の明かりと、カールから登ってくる雲を見ていると3000mにいる事が実感できた。
5日目。
夜明け前。
まだ日が昇る前から、テントを畳む音が周囲から聞こえた。
僕は少し明るくなるのを待って、半分だけ身体をテントから出して
朝食の用意をした。
朝日が奥穂高岳を照らしていた。
前穂高から上高地に降りよう。そう決めていた。
昨日、隣のベテランの関西おばちゃん二人組が
西穂へ向かう話をしていたが、そのおばちゃんたちのテントは既に無かった。
さすがだ。
食事をすませ、テントを畳み、ザックを背負って最後の工程を歩き始めた。
山頂までは一度登っているので、楽に行くことが出来た。
昨日霧に煙り、恐ろしい姿を呈していた西穂へのルートも今日は晴れて良く見えた。
だが目の前に見えるジャンダルムが遥かに遠く感じた。
運命の分かれ道?
リベンジを誓い、左へ。
遠くジャンの壁におばちゃん2人組が見えた。
とはいえ前穂高へのルートも、中々の険しさであった。
紀美子平をにザックをデポし、前穂高岳を登る。
前穂高岳からはこれまでの全てのルートを見返す事が出来た。
北アルプスの山々。
距離は意外と短いのだ。
ここからは一気に下り。
岳沢ヒュッテ跡を越えて岳沢を下る。
かなり膝に来ていたが、ポールを使って、下り続けた。
途中上高地からの、ハイキング客が登って来ていた。
岳沢ヒュッテぐらいまで行くのであろう。
上高地周辺は水も綺麗で
散策するのも楽しそうだ。
見上げると奥穂高~西穂高への
尾根が見えていた。
また必ず来よう。
こうして、今回の槍ヶ岳~穂高連峰縦走は終わった。
上高地ではバスを待つ間、ターミナルでザックを500円で預け、
上高地温泉で温泉に浸かり疲れを癒す事ができた。
そしてもちろん風呂上がりのビールが、最高に美味かったのは言うまでもないか。
END
<今回のルート>
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