夏
仕事の都合が付き、長期の休みが取れた。
かねてより計画の南アルプス縦走を実行する事にした。
深南部より聖岳に入り北部仙丈ケ岳までの縦走だ。
7月18日
電車を乗り継ぎJR金谷駅へ、
金谷で大井川鉄道に乗り換える、アプトラインを経て終点井川に至る。
12:18分井川到着。
井川から畑薙第1ダムまでおよそ25kmの道(舗装道路)を歩く。
道歩きはきつい、そのため今回はこの道歩きの為に、
靴を思い切って変えてみた。
adidasのFAST R。まぁハイキングシューズですね。
20kgの荷物を背負って縦走するのにハイキングシューズを
履くとゆうのは、登山者の常識としては”無し”である。
でも履いて来ちゃったんだからしょうがない。
今のことろ快調だ。
そしてここはサクッと行きますが、やはり20kgの荷物を
背負っての舗装道路歩きはハイキングシューズをもってしても
かなりの苦行である。しかし登山靴よりはずっといい。
19:00過ぎにやっとダムまでたどり着いた。
途中バス
に抜かれた。去年しらべでは静鉄ジャストラインは
静岡~畑薙間の運行を終了した筈だったので井川から歩いてきたのだが
帰ってから調べると、なんと再開していた。大損である。
もし行かれる方は静鉄のホムペを調べてから行かれる事をお勧めする。
http://www.justline.co.jp/index.html
季節運行なので時期によっては無い。
そしてダム脇の待合所?に陣取る。誰も居ない。
(写真は翌日の朝)
ダムの音が少々うるさいがここで寝る。
ダムの音より蚊がうるさい。
7月19日
翌朝。
少し歩くと舗装路から砂利道に変わった。
もう少し行くと畑薙大吊橋を発見
吊橋って何か好きです。
やっと登山開始。
ヤレヤレ峠を過ぎた辺りで、自分の持つ
右手のポールの一段目(先端側)が無いのに気づく
ふつーそこ無くなるか?先の輪っかが無くなるのは
覚悟していたが・・・
仕方なく片方のみで登る。
ウソッコ沢小屋を過ぎ、茶臼小屋で休憩し稜線に出た。
吊橋から約5時間40分。かなりの標高を登ったのでは
ないだろうか。
しかし天候はいまいちで、ずっと雲り空だ。
しばらく行くと雷鳥の親子に出会った。
雷鳥のヒナは初めて見た。かわいい
お花畑を過ぎる
う~ん、思ってたお花畑のイメージと違う感じ・・・
上河内岳頂上への分岐に着いたがガスっていて頂上は見えない。
前回来た時は登らなかったのでとりあえず荷物をデポして上る。
頂上もガスっていて何も見えない
まぁ良くあること。てなわけでとっとと降りる
再び稜線に戻り二日目の目的地、聖平小屋を目指す。
16:30頃小屋に、到着。
夕食の準備をしていたころ、ようやく雲の間から太陽が顔を出す。
明日は晴れるかな
7月20日
3日目、4時起床。
まだ暗い中、ヘッドライトの明かりを頼りにテントをたたみ、
朝食を食べる。
聖岳に向け出発。まず手前に立ちはだかる小聖を登る。
昨日の雲天とはうって変わり良い天気だ。
太陽とともに富士山も顔を出す。
そして前回(2012年5月)も登った聖岳のガレを登る。
今回は印も見つけやすく迷うことは無かった。
しかし、石を落とさぬように慎重に登る。
6:15 聖岳登頂
今回の3000m峰、まず一つ。
しばし、休憩。
良い天気だ、遠くこれから行く山々が見える。
仙丈ケ岳が見えるぞ!遠いなぁ!!
さて、先は長い。今日は荒川小屋まで行かなくてはならない。
ちなみに、その今見えている一番手前の山が次の3000m峰赤石岳だ。
荒川小屋はその向こうである。
これから聖岳を降り、兎岳に登る。
この先で前回は引き返したのだ。
赤い石の下りを降りる。聖兎のコル迄降りるとここからまた登りだ。
結構きつい。
8:13兎岳山頂。
おぉ今度は北アルプスまで見えますよ!
これから行く道、稜線。右奥の山が赤石岳
けっこうなだらかそうだな~ と、思ったのだがとんでも無かった。
これからけっこうエグエグなUp&Downが続きます。
(今はまだ知らない)
中盛丸山を経て百間洞山の家に着く。
この中盛丸山の表示が殆ど無いため、中々判り難く、
かなり疲弊した。
しかし、時間的にはかなりいい調子なのでここで昼飯にする。
大休止を取り再び歩き出す。
小さな花がかわいいね(歩道から出てはいませんよ、念のため
)
13:40赤石岳登頂
本日3000m峰二つ目。きついぜ!
ちいと雲がかかっていますが荒川岳が見えます
次はあそこだ!って、まぁ、明日ね明日。今日はもう無理。
小赤石を超え
17:00 荒川岳小屋に到着
ひーっ!もう足が痛いよぉ
7月21日
朝4時、真っ暗。
荒川小屋が山腹の斜面にあるのでとりあえず登る。
登り始めるとすぐに柵に囲われた花畑に出る。
柵を出たり入ったりしながら(意味判ります?うーん説明
し難いので、行ってみて)登る。
今日は荒川に登ってから三伏峠を目指す。
荒川小屋から稜線に出ると前岳だ。三伏峠側と荒川岳側は前岳で
分岐しているので、ここで三叉になっている。
とりあえず荒川側(東側)に向かう。
まず中岳非難小屋を通る。5:50
非難小屋といっても親父が居る。何故非難小屋に人が常駐しているの
だろうか。なら「非難小屋」でなくて「小屋」で良いではないか?
良く判らないが、あまり愛想の良くない親父だったので、ちと
ベンチに座って休憩だけする。すぐに出発。
北岳の方まで良く見える。
荒川東岳だか悪沢岳だか、名前がややこしいのがこの辺の主峰だ
正直名前なんかどうでもいい。とにかく3141mの山だ。
東岳の手前のコルに荷物をデポして登る。
20kgのリュックが無いとスゲー軽い。亀千人の甲羅を降ろした時のようだ。
背負ったこと無いけど
頂上 6:50
今日も富士山がよく見える
再び前岳の三分岐に戻る。
ここから西側に下りる。
稜線が細く、かなりナイフエッジなデンジャラスゾーンを抜け
ガラガラの石の坂を下りるが結構急で危ない。
その坂を下り切ると、木々の間をぬける気持ちのいい道が続く。
途中、夜叉神から入った人に合った。私とは逆方向だがかなりの
縦走だ。南ア全山縦走だ、すごい
。まさか実際に会うとは思って
なかった。
さらに歩き高裏山非難小屋まで降りる。非難小屋は山の中にぽつり
と建っていた。かなりの山奥だ。何処へ降りるにも1日では行けない。
ここにも親父がいた。布団を干していたので、声を掛けてベンチに
座らせてもらう。
親父も非難小屋に人がいるのがおかしいと言っていた。
だったら非難小屋じゃなくて小屋にすりゃぁいーんだと言っていた。
同感である。
ここからは緩やかな登りだ。こまかなアップダウンがあるが、かなり
快適だ。稜線ではなく木々の中を抜けていく。
南アルプスはこれがいい。
途中崖の縁のような危険な箇所が何箇所かあるので慎重に歩く。
小河内岳についたのが13:25 すこしガスってきました。
ここまでくればあともう少し。のはず。
小河内岳から烏帽子岳をこえ三伏峠小屋に到着。15:30
小河内岳からからは意外にかかった。
どこかの高校生の団体がテントを張っていた。元気がいい
まぁ若いっていーですね、ってことで・・・
三伏峠小屋は水場が遠い。往復で20分はかかる。
しかも水場に着いたら「熊に注意」って書いてあるし。
着いてから言われてもなぁ。
暗くなる前に雨が降ってきた。明日の天気を気にしつつ寝る。
7月22日
4時半、真っ暗け。
雨は上がったようだ。
しかし木々や草は濡れており、歩くとびしょびしょになるので
カッパを着る。
朝日が差し込みこうなる。もののけ姫ですよ。
デーダラボッチ出ますよ。
早めに出たつもりだが、小屋泊まりの年寄りチームに先を越された。
テントをたたんで、飯作って準備するのは時間がかかるのだ!
でも道を譲ってくれたので、お礼を言ってそそくさと先に行く。
今日は塩見岳~熊の平小屋です。
ところでお天気最高!
というわけで塩見岳、かっこいい!
左手前に見えるのが塩見小屋、またこれがスゲー山奥だ。
なんと女の子が小屋で働いていた。なんでまたこんな所で
西峰 3047m(またまた富士山)
と
東峰 3052m(奥に甲斐駒が見える)
これ不思議。
塩見岳の標高は3047mとなっています。これは三角点が
西峰にあるからで、標高は東峰のほうが3052mで高いんです。
ちなみに西峰と東峰は100mぐらいしか離れていません。
まぁ三角点とかどーでもいーんで、私的には東峰を塩見岳の頂上と
いたします。高いほうの勝ち。単純明快。
東峰8:25。
かなり天気が良いです。とても居心地がいいので、お茶にします。
南アルプスは、ほんっとに人がいなくて、最高です。
と思ったら日傘を差して登ってくるおじさんがいてびっくりしました。
塩見岳を降りる。振り向けば塩見岳。うーん裏側(?)もかっこいい。
13:15熊の平小屋到着。
小屋の前のテラスが、なんだか斜め。
まだ早いのでこれから両又小屋まで行けるか聞いてみたが
遅くなると怒られそうなのでやめた。
ちと早いが、足も痛くなってきたのでゆっくり休もう。
ところでauのiphoneは南アルプスでは全く使えない。
携帯の時は、メールが少し使えたのだが、iphoneは全く駄目だ。
まぁこんなところなので仕方ないが、アンテナが5本立ってても
駄目なのは何なのだろう?
すこし雨が降ってきた。霧雨。
7月23日
3時半、ほぼ夜。
今日は最終日だ。千丈ヶ岳を超え北沢峠に降りる。そこから
人間界に戻るバスが出ている。
とりあえず三峰岳を目指す。
千丈に向かう道と間ノ岳に向かう道、それと塩見岳に向かう道の分岐だ。
5:26、曇っており視界はない。
表示とルートが良く判らない。頂上付近で少し迷った。
なんとか千丈に向かうルートを見つけ歩く。三峰岳を越え、
野呂川越に至る。ここを東に降りると両又小屋でその先に北岳だ。
私は北に向け千丈ヶ岳を目指す。
しかしこの先が倒木だらけで、すごい事になっていた。
なんだろうか、整備が追いつかないのか、する気がないのか
とにかくひどい道だ。いや道なのか?
木こりが暴れたような倒木だらけの道を抜ける。
途中、反対から来たおじさん二人組に、メガネを落としてしまったので
もし見つけたら、北沢峠のバス停にぶら下げておいて欲しいと言われた。
一応気にしながら歩いたが、やはりみつからんかった。おじさんすまぬ
すっきりしない天気の中、大仙丈ケ岳手前でちらりと仙丈ケ岳が見えた。
でかい、仙丈ケ岳はでかい。あまりピークが良く判らない。
でもピーク。12:30
頂上には、高校生(中学生?いや高校生?)が20人ほどいた。
部活ではないっぽい。遠足?
なんだか良くわからないが写真を撮ってもらった。
南アルプス最後の3000m峰だ。
視界はないし、学生でいっぱいだし、寒いし、バスの時間はあるし。
というわけで、すぐに降りる。
今度は甲斐駒から登ってこようかな。
下りはかなり整備された道だ。学生が遠足に来るくらいですからね。
14:45北沢峠着。
バスで広河原へ出る。そこから別のバスで甲府駅に行ける。
このバスは夏季の臨時なので、時間は都度確認して下さい。
今回は南アルプス最南の3000m峰から最北の仙丈ケ岳まで
縦走することが出来ました。
南アルプス全山には北岳、農鳥岳、間ノ岳、鳳凰三山と大分足りないけど
十分満足できましたし、これ以上は更に4、5日かかるので
ちょっと無理っぽいです。でも体力的にはいけそうなので、それが
判っただけでもいーかなと。
あと天気ですが、今回は最高でした。最初と最後は少し曇りましたが
行動中は殆ど降られませんでした。
3000m峰、残すは乗鞍と御岳だけになりました。
ちょー長い記録を最後までご覧頂きありがとうございました
ではまた
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